マンガといえば

マンガを解説した本や、マンガをテーマにしたマンガって、マンガ全体のことを語っていることは少ないように思う。そういった作品を書く著者の多くが、自分にとってのマンガだけを語っている。それがちょっとおもしろい。
上の本の著者、大石さんは、自分が手がけている量産タイプのマンガのことだけを語っている。ほかの例を挙げると、たとえば「バクマン」が語っているのは、ジャンプのマンガのことだ。あれは現代のまんが道のようにもみえるけれど、実際はジャンプ道であって、マンガ全体のことは描いていない。それから、島本のマンガ家マンガは、とにかくひたすらに、熱血マンガとその周辺のことについて描いている。
みんな、視野をかなりしぼって書いている。しかも、しぼっているのにそれをはっきりとは言わず、「マンガとは」というふうに、マンガ全体を語ろうとする。なんでだろう。不思議だ。マンガ家って、自分の描いているマンガのことしかみえないもんなんですかねぇ。おもしろいなぁ。