トライアングル

トライアングル

トライアングル

サスペンス小説。少女時代に殺されたはずの女性が、生きて大人になっている。いったいなぜ、という話。テレビドラマ化されて放送されていたのを何回かみて、ずいぶん謎をつめこんだ話だと思い、原作がどんなものか気になったので、読んでみました。
原作は意外とあっさりしていました。あらあら。ドラマが謎てんこもりだったのは、脚色だったのか。
ドラマでは主人公の刑事がずいぶん謎めいた雰囲気をかもしだしていましたが、原作の主人公は明朗な青年でした。主人公が正面からどんどん捜査を進めていって、女性の謎も、少女時代の事件の謎も、ざくざくーっと解きます。あらあら。ドラマはあんなに混迷をきわめていたのに。こんなにストレートな話だったとは。
や、原作とドラマとでは、少女時代の事件の構造がまったく違うそうですよ。俺はドラマを最後までみなかったので、よく知らないんだけど、いやーすごいね。原作もそれなりにまとまった話なのに、それを土台から崩しちゃったってことだな。そんで謎を増やしてスケールアップしたと。やー、これ著者は懐の広い人ですね。
原作は、隠し味に変なものを入れてあるけど、全体としてはふつうのカレーという感じ。ドラマはそのカレーにトンカツやハンバーグやから揚げをのせた感じだな。豪華なんだけど、味がよくわからんし、胸焼けする。まぁ、そういうドラマが求められる時代なんでしょうね。つくり手は大変だろうなぁ。