愚行録

愚行録

愚行録

殺人事件の秘密をめぐるミステリー。ルポライターが事件関係者にインタビューしたという体で書かれている。最近、この手のミステリーが多いような気がするけれど、これの元祖って誰なんだろうねぇ。
以下、感想。ネタバレはしていないと思います。たぶん。
や、シンプルにまとまった、読みやすい小説でした。最後にはちゃんと、読者の視点を切り替えるオチがあって、なおかつ、極端に意外な展開ではない。ほどよいミステリーですね。
とくにテーマはなくて、登場人物の魅力もないです。なにしろ愚行をする人たちですからね。これはプロットを楽しむ小説でしょうな。
でも、ミステリー部分よりも、早稲田大学と慶応大学についての説明のほうがおもしろかったなぁ。慶応は内部生と外部生に分かれているとか。そういうしょうもないことが、丹念に詳細に執拗に、書かれている。
俺、そういうステータス的なものごとって苦手なんで、ぜんぜん知らなかった。俺の大学にもなにかそういうのってあったのかなー。や、社会って怖いですね。ちなみに著者は早稲田出身だそうです。プロフィールにわざわざ書いてある。自伝的な意味合いもあるんですかね。