ジョーカー・ゲーム

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スパイ小説。日本のスパイ養成機関と、そこで訓練を積んだスパイたちを書いた連作短編集。おもしろかった。
や、これもエンターテイメント小説ですね。スパイが暗躍する姿を、ミステリー仕立てにして、おもしろく書いている。養成機関誕生の話や、在日英人スパイの調査などなど、どの短編も楽しく読めました。
養成機関のボスが「スパイは疑われたら終わり」「失敗して自殺するのは最悪」というふうに、スパイの心得をわかりやすく語ってくれます。それを読んでいるうちに、スパイってのがどういうものか、なんとなくわかるというしくみ。スパイの立場や役割がわかるので、話の緊迫感がしっかり伝わってくる。やー、読みやすい本ですわー。
スパイAがスパイBをだましていて、でもBはAにだまされていることを知っていて、その全体の動きをスパイCが把握していて、みたいな感じのだましあい。そういうのが好きな人におすすめですね。