愉快なピーナッツの感想その3

くるりはこれまで、ジャンルや環境から影響を受けて、その影響丸出しのアルバムをつくることが多かったが、最近は、人物から影響を受けるようになってきた。
さよならリグレット、京都の大学生はピアノ担当のエディの色が濃く、ピアノありきの曲だった。ピーナツと丸顔にも、ピアノ担当の世武さんの色が出ている。ただ、ピーナツも丸顔も、ピアノ曲というよりはギター曲で、ピアノは曲全体を静かな、少し悲しいトーンに抑えこむような働きをしている。エディのピアノは、曲の中を跳びはねて、曲全体を飾り立て、高揚感を増す働きをしていた。
バックに入ったミュージシャンの個性をそのまま受け止めて、それを含めてくるりの楽曲として提示する、というスタイルが、板につきはじめたように感じる。
アルバムは、ある程度固定したメンバーで録音したんだろうか。それとも、曲ごとに違うのか。気になる。ニューヨーク録音だというから、矢野さんの参加を期待しているんだけど、どうかなぁ。アルバムの数曲に矢野さん参加→音博でその曲を共演→岸田緊張して声が変に、という展開がみたい。