The Hollow

ホロー荘の殺人。原題の「hollow」は「うつろな、鈍い」という意味の単語。あるいは「うわべだけの」という意味を示しているのかもしれない。殺人事件の現場で、つい銃を手にとってしまった鈍い人が、容疑者になる話です。
やー、これは隠れた名作ですね。オリエント急行とかそして誰もみたいなスペクタクルはないけど、あの手の名作と同じような、構造上のしかけがほどこされている。おもしろい。そしてクリスティ得意のいやらしい人物造形が冴え渡っている。その造形が作品全体のテーマにもつながっている。ホローというタイトルもいい。いろいろな要素がきれいにからみあって、優れた娯楽作になっています。