ポワロさんは出てきません

いつもねぼすけな若者の枕元に、こっそり8つの目覚まし時計を置いて、翌朝びっくりさせてやろう!というイタズラをしかけたら、次の日の朝には、なんと若者は死んでいました。そしてなぜか時計は7つになっていました。あらあら、どうして??という話。
やー、複雑怪奇な謎をつくりすぎだね。謎づくりにこりすぎて、話はどこかにとんでっちゃってる。話が謎のために存在している感じ。種明かしに説得力がまったくない。さすがにここまでやると、演出過剰だなぁ。まぁでもこのサービス精神が、幾多の名作を生んだわけなので、こういう実験作みたいなのが残っているのも、それはそれでおもしろいですね。クリスティの作家性がよく出た一作でした。