Narratage

ナラタージュ

ナラタージュ

久しぶりに恋愛小説を読んだ。ナラタージュ。意味は回想だそうです。その名の通りの、昔の恋の話。ラスト数十ページの、研ぎ澄まされた文章がよかった。
高校時代に教師に恋をして、卒業後もその思いを抱えたままでいる大学生の話。彼女はあるきっかけから、教師とまた顔をあわせるようになり、自分の気持ちと向き合うことになる。
やー、主人公が自分の本心にふれようとしない序盤には冗長な文章が続くんだけど、中盤から終盤にかけて、彼女が自分の気持ちに近づいていくにつれて、文章もキレを増していくのがおもしろかったです。

今度こそ私はどこへでも行ける。ちっとも嬉しくなかった。

こういうシンプルな文章がよかった。や、いい本でした。