好きな動物

好きな動物をなにかひとつ決めておくというのは、いいことだなぁ、と思う。先週末に土産物屋でそう思った。俺は鹿が好きなんだけど、そう決めておくと、数多の土産物のなかから買う物を選ぶとき、あまり悩まず、鹿ものにしぼって探せる。これは便利だなぁ、と思った。
買い物だけでなく、贈り物にも同じことが言える。俺の友達には、好きなものを決めている人が割合に多いので、プレゼントを選ぶときに困らない。ようこさんは鳥、ハマタさんはりす、黒ちゃんは豚、トリくんはチャボ、という具合に、みんな好みがはっきりしている。
やっぱりこう、自分の好きなものを定めておくと、行動しやすくなるんだろうね。自分の好き嫌いを知るのは難しいことだが、決めるのはそう難しくない。難しくないし、楽しい。俺は鹿を好きだと思うようになってから、街を歩くのがより楽しくなった。
買い物や贈り物のほかにも、ありとあらゆることに鹿をからめて、楽しく生きていける。会話のなかの鹿、文学のなかの鹿、動物園の鹿。どれもいとおしくみえてくる。ジュビリーのPVに鹿が出てきたときにも、なんだか妙に嬉しかった。好きになるというのは、素敵なことだ。
そういう素敵なことのなかで、人生にもっとも深くかかわるのが、好きな人ができることだと思うんだけど、俺にももちろん、好きな人がいる。で、その人をただ好きだと思うだけじゃなくて、もっとはっきり決めたいので、その人と結婚をした。まぁ、理由はほかにもあるんだけどね。
好きだと思うことも、それを形に残すことも、行動にうつすことも、それぞれに大切なのだと思う。婚姻届と、それを提出する行為には、本当はたいした意味はないんだろうけど、それでもやっぱり、それらは俺にとって、妻を好きだと思う気持ちと同じように大切な物事だった。
人間は、自分の根源的な感情をつかみとるのが上手な生き物ではないのだと思う。俺は、自分がなにを好きなのか、本当はわかっていない。でも、わからないままで人生を歩み続けても楽しくないので、自分で決めた。その判断が、本当でも嘘でも、俺はかまわない。すごく楽しいから。
というわけで、昨日から妻帯者になりました。時間と空間の都合で事前に報告できなかったみなさん、ごめんなさい。次の飲み会で話しましょう。こういう人間なんで、さほど変化はないと思うけどね。まぁ、婚姻届のどの欄が審査に引っかかりやすいか、教えられるようにはなったよ。ははは。