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ジジジイ -GGG-(1) (モーニング KC)

ジジジイ -GGG-(1) (モーニング KC)

モーニングではじまった『宇宙兄弟』がえらくおもしろいので、小山宙哉の既刊を買ってみました。で、とりあえず1話読んでみた。おもしろい。
宇宙兄弟なー、出てくる人の人物像がいいんだよなー。みんなしっかり生きているのがいい。作者が人間好きそうでいい。絵は土田世紀浦沢直樹ハロルド作石を混ぜた感じで、特別うまいわけじゃないんだけど、でもキャラクターの表情がいいし、絵のタッチが人物やセリフの素朴さにあっている。全体的に調和しているマンガ。そして人間の体温が感じられる作品。好きだ。
で、宇宙兄弟と同時期連載の『グレゴリーホラーショー』ってマンガが宇宙兄弟と対照的で、その対比がおもしろい。グレゴリーも調和はしているんだけど、作風が宇宙兄弟と真逆なんだよね。絵はすごく達者なのに、内容が心に伝わってこない。原作ものだから仕方ないのかもしれんが、それにしてもキャラクターがみんなハリボテみたいなんだよなー。存在感がない。造形もセリフも借り物という感じで、体温が伝わってこない。うまいんだけどねー。空虚な雰囲気で調和している。
やー、同じ雑誌のなかであそこまで作風の違う作品を並べられるってのは、すごいことだと思いますよ。モーニング、素晴らしいね。やっぱ講談社のマンガが大好きだ。いまのモーニングでは宇宙兄弟、『GIANT KILLING』『ディアスポリス』『じょなめけ』『へうげもの』が好きだなー。
いちばんアレなのは『ジナス』。浦沢の作風を真似た(と言っていいと思う)サスペンス。作風は似ているが、読みやすさ・おもしろさは浦沢に遠く及ばない。「モーニングにも20世紀少年がほしい」という狙いはわからないではないけど、それにしてもひどい。謎が多すぎる。泣きのエピソードが説明不足で泣けない。そして主役に魅力がない。ジナスを読んでいると、浦沢&長崎コンビの構成力がいかに優れているかということがわかる。浦沢のマンガは1週だけ読んでもおもしろいからね。やっぱり彼はすごいんだな。