読了
- 作者: エラリイ・クイーン,大庭忠男
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/07/01
- メディア: 文庫
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やーこれはおもしろいね。基本的な構成は連続殺人事件の謎を解くっていう、まぁよくある話っすわ。でもね、トリックを解くのではなくて、犯人が何を考えているのかってことを探っていくわけですね。そういう意味では「七人のおば」と似ているかもしれない。心を探って事件を解決するタイプの推理小説でした。全編に渡って、人間の心の危うさが書かれていて、ちょっと変わったおもしろさでしたよ。街全体に恐怖が蔓延していて、殺人鬼のいないところで事件や暴動が起きてしまったり、被害者の遺族が疑心暗鬼にとらわれたり。クイーンと「猫」の対決もよかったけど、その周辺のできごとも読みごたえがあったなぁ。クイーンもハズレがないね。