本は、これから
- 作者: 池澤夏樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/11/20
- メディア: 新書
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37の文章やマンガを乱暴に二分すると、「iPad発売以降の電子書籍が自分の人生にどんな影響を及ぼしたか」というような内容を実際的に記したものと、「そもそも本とはなにか」というような内容を理論的に記したものになる。前者は参考になった。後者は息苦しかった。「本とはなにか」という話も興味深いものではあるのだけど、それを真正面から理屈で語られると、疲れる。エピソードを通して語ってくれたほうが、実感も理解もしやすい。
紙の本とのめぐりあわせのおもしろさを書いた、最相葉月の文章がよかった。電子書籍はあまりにも直接的で、その点ではおもしろみに欠ける。電子書籍によってもたらされる変化のおもしろい側面と、そうでない側面が浮かび上がるような文章だった。