2009年の10曲
もう年が明けてしまったけれど、気にせずまとめます。2009年によく聴いた10曲。
- The Killers「Spaceman」
- サカナクション「セントレイ」
- くるり「魂のゆくえ」
- Animal Collective「My Girl」
- Lily Allen「Fuck You」
- Rafven「Basmarsch」
- Phoenix「1901」
- 矢沢永吉「コバルトの空」
- MIKA「We Are Golden」
- MUSE「Unnatural Selection」
- 2009年初頭は、08年発売の音楽を聴いていた。まず、キラーズ。フジロック出演の報を受けて、スペースマンを聴きまくった。人間の孤独と宇宙の広さを歌う、いい曲だった。やっぱり、宇宙とグラムロックは相性がいい。この曲を苗場で聴く日を心待ちにしていたが、その夢は散った。
- サカナクションも08年発売。アルバムを買って、よく聴いた。夜の音楽を奏でられる、いいバンドだと思う。音源よりライブがよさそうで、フェスでみてみたいと思っているのだけど、結局まだ一度もみていない。
- くるりは、2009年はこの曲がいちばんよかった。新しい一歩を示した歌。初夏のツアーで、弾き語りで丁寧に歌っていた。俺は秋冬ツアーに行けなかったので、その後どう変わったか、知らない。2009年の曲では、つらいことばかりとジョニーも好き。くるりは2009年、音楽的にはあまり新しいことはせず、歌と演奏を着実にこなしていたという印象。今年はどうなるんだろう。
- アニコレは、アルバムの華々しさとライブの静けさにギャップがあって、ホワイトステージで戸惑った。あのライブはなんだったんだろう。いまもまだ、よくわからない。アルバムはいまでもよく聴く。
- アニコレと同じフジロック組で、ライブが予想通りによかったのが、リリー・アレン。グリーンステージで堂々たるパフォーマンスを披露。数万人にファッキューと歌わせる、見事な煽動ぶりだった。アルバムも芯があって軽快で、よかった。
- フジロック出演者からもう一組。2009年のベストアクト、レーヴェン。Basmarschってのは、例のあの曲です。チャッチャチャラチャラチャ〜ラ〜ラ〜♪ってやつね。レーヴェンの価値は、フジロックに行った人にしかわからない。メディアに載せることのできない、生の音楽の価値。駐車場にレーヴェンが登場したときの感動が忘れられない。弦楽器の音色が速くなるにつれて、観客の呼吸も速くなっていって、みんなでうあーいうあーいとアガっていく感じ。本当に素晴らしいライブだった。レーヴェン最高。
- フェニックスは、いかにもいまっぽい、エレクトロニカを通ったポップロックという感じのバンドなんだけど、音の背後に歌心と色気があっていい。好みの音楽。国内盤にはシングル曲のホーム・デモ・ヴァージョンが入っていて、それを聴くと、このバンドの音は歌でできているんだってのがわかる。
- 矢沢のアルバムも最高だった。イベントやらテレビやら、ちょっといろいろ出すぎているような気もしたが、それだけ、エネルギーに満ちていたということなんだと思う。コバルトの空は、シンプルでいい。
- ミカちゃんは、残念ながらライブには行けなかったが、アルバムはよく聴いた。シングルが音の多い、圧倒的な曲だったから、アルバムもその系統かと思ったら、アルバムはしっとりとした、歌中心のものだった。底抜けに明るいスターにはならず、さみしげなアルバムをつくったのが意外だった。
- ミューズは、アルバムをセルフプロデュースするようになって、いままで以上に傍若無人になった。イントロが無駄に長かったり、組曲をつくっちゃったりして、ちょっと聴きづらいところもあったけど、それでも、アンナチュラル・セレクションという、バカみたいにキャッチーな曲もつくっていて、ミューズはやっぱりミューズだなぁ、と思った。アンナチュラル・セレクションは7分もあるのに、最初から最後までアガりっぱなし。グラムロック、メタル、クラシックと、ミューズが好きな人にはたまらない要素満載。これが先行シングルにならず、アルバムにしれっと入っているのがすごい。
- 上記の10曲のほかに、プロディジー、アンジェラ・アキ、パール・ジャム、フリート・フォクシーズ、ダーティ・プロジェクターズ、グリズリー・ベアもよかった。ブルックリン系がやっぱりいい。
- 以前に出た曲で、2009年によく聴いたのは、この3曲。
- Thee Michelle Gun Elephant「世界の終わり」
- Paul Weller「Changing Man」
- Blur「Park Life」
- 2009年は、多くのミュージシャンが亡くなった。俺は、ミッシェル・ガン・エレファントが永遠に失われたことが、たまらなく悲しかった。いつの日か、グリーンステージでミッシェルをみる日がくると思っていた。ミッシェルは離れただけで、スーパーカーのように壊れたわけじゃないから、いつかまた、ミッシェルになるんだと思っていた。訃報にふれた日は、あたりかまわず、大きな音で世界の終わりを聴いた。
- キラーズのフジロック出演キャンセルが決まったあと、ポール・ウェラーの出演が決まった。いくらか、悲しみが薄れた。俺はブリットポップ世代なので、ウェラーというと、ジャムやスタイルカウンシルより、ソロの印象が強い。スタンリー・ロードの曲を生で聴けてよかった。
- ブラーは、復活はしたが、日本には来なかった。海外のフェスの映像や音源を聴いて楽しんだ。ハイドパークのライブが感傷的でたまらない。ガールズ&ボーイズやパークライフもいいんだけど、カントリーハウスもすごくいい。いろいろあって、いま、カントリーハウスを高らかに歌うってのが泣ける。デーモンはいくつかの曲で、ヒップホップの人のような歌い方になっていた。いろんな道を通ってきたもんなぁ、と思った。
- というわけで、フジロックでみた人たち以外はほとんど、音源を聴いただけで、ライブではみていません。2009年はほとんどライブに行かなかった。モーサムを一度もみていない。生活がずいぶん変わったなぁ。今年は、おもしろそうなバンドは、ちらっとでもいいからみにいきたいな。サカナクション、ダーティ・プロジェクターズ、ヴァンパイア・ウィークエンドをみたい。
- 最後に、今年フジロックにきそうなバンドの映像を。意外とあっさり復活したペイヴメント。今年の苗場は、ペイヴメント→ベックという流れでいいんじゃないでしょうか。なんならそこにブルックリン系の人たちをまじえたっていいよな。俺はペイヴメントは一時期しか通っていないんで、くわしくないんだけど、この骨抜きな感じは、やっぱり独特で、おもしろい。ちょっとみてみたい。