信じる奴がジャスティス
- 作者: 本多孝好
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 単行本
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大学生が「正義ってなんだ?」って悩む話。青い。
いじめられっ子の主人公が、大学で「正義の味方研究会」というサークルに入り、正義の味方として活動する。活動していくなかで、これは本当に正義だろうか?と悩む。そして最後に答えを出す。それだけのシンプルな話でした。文章の濃度は低く、読みやすさを重視してまとめられた感じ。まぁ、本多さんの本ですからね。少ないエピソードをわかりやすく、わかりやすく描いていくスタイルです。
正義の味方研究会は、法が裁かぬ悪を裁く、という大岡スタイルをとっています。すごくわかりやすい正義。それがあったらいいなぁ、と誰もが思うような正義。ただ、彼らには実は腕力も知恵もある。だから正義が成立している、という側面がある。大きくて強い正義はかっこいいけれど、それだけが正義なんだろうか、というような問いが出てくる。正義の見方ですね。
で、最終的には人間ひとりのもてる正義ってなんだろうねぇ、という話になっていく。理想的な設定からはじめて、現実に目を向けるという、まぁ、SFの基本みたいな話ですな。俺は正義って言葉はあまり好きじゃないです。信じる奴がジャスティスという名言があるけど、やっぱり正義って、人の数だけあるものだよね。自分の信じるものが正義っていうね。や、本にも書いてありますが、なにかを信じすぎて、正義感につぶされちゃいかんなぁ、と思いますよ。まったく。