悪について書かれた文章をまとめたアンソロジー。千差万別、いろんな悪がありますね。しかしまぁ、昔の文筆家の文章ってのはよくも悪くも自由ですごいな。読みやすくないが、そのぶん妙なおもしろみがある。アリアドニ・オリヴァ先生が初対面の女からおかしな話をもちかけられて、一人では手に負えず、ポワロさんに相談するって話。おもしろかったおもしろかった。クリスティ晩年の一作だけあって、終始落ち着いたトーンで書かれていた。文章には年齢が出ますなぁ。