エリック・ゴードン登場

今週のNCAAは大物が登場。ドラフト08全体5位以内での指名が予想されるフレッシュマンガード、エリック・ゴードンです。ビデオにとって少しずつゆっくりみました。試合はミシガン州立大学スパルタンズ@インディアナ大学フージャース。ゴードンはホームチームインディアナ大の先発SG。すごかった!
インディアナ大が、ゴードンの得点力と堅いチームディフェンスでミシガン州立大を圧倒。61-80の快勝でした。試合序盤は守備がうまく機能せず、相手に連続得点を許していたが、その点差をつめてからは危なげなく勝利。インディアナ大の3人のガードが展開力、守備力ともに相手を上回っていた。ミシガン州立大は連携ミスが多く、バッドバスやキャッチミスでボールを失い、点差をあけられてしまうシーンが目立っていた。ときどきSGドリュー・ナイツェルのロングレンジ・ジャンパーでやり返すんだけど、その勢いを次のプレイのミスでつぶす、という流れ。攻め手が少なく、ゾーンディフェンスでナイツェルの攻撃を封じられてからは、手詰まりだった。まぁ、アウェイだったということと、相手のディフェンスに対処できなかったということが敗因でしょう。インディアナ大の勝因は、序盤に10点以上の差をつけられてもひるまず、守備を立て直し、一つ一つ着実にやり返していったこと。あとゴードンね。いつでも勝負にいけるガードがいるチームは、やっぱりなんつったって強い。
エリック・ゴードンは、6-4、215のオフガード。サイズに恵まれているわけではない。身体能力と技術で圧倒するタイプですね。速くてうまくて高く跳ぶ。そしてショットが的確。典型的なスターガードだ。放送中にも名前が出ていたかもしれないが、ドウェイン・ウェイドに似ていた。体型も同じくらいだし、プレイスタイルもよく似ている。能力はあるんだけど、持ちすぎてチームメイトを困らせたり、無理して一人で攻め切ったりはしない。それがチームの意向なのか、本人の意志なのかわからんが、いまのスタイルを維持できれば、ウェイドに近い存在になれるんじゃないだろうか。この日は31分28p5r1a1s1b。やー、すごいプレイヤーがいますねぇ。彼のプレイの中心はペネトレイト。ディフェンスに勝負を挑んで1対1でリングにむかっていくのも速くてうまいし、何人かで固めているインサイドにするする入っていくのもうまい。カットインして高速スピンムーブで相手をかわしつつ、ほとんどみえていないリングにむかってシュート!というプレイがあった。それでファールをもらっていた。すごい。レイアップシュートの半分か3分の1くらいが、スリーポイントプレイになっていたよ。やー、いいものをみたなぁ。彼は来季の新人王候補ですね。グリズリーズ、ニックス、ボブキャッツ、バックス、ペイサーズあたりにいったら、すぐにでもエース格になれるんじゃないかねぇ。あとアレだなぁ。ブルズは、彼やローズ、メイヨを獲れそうな順位になったら、それを見越してゴードン&デングを一挙放出しちゃってもいいかもしれんねぇ。やー、また楽しみなプレイヤーがあらわれました。楽しみ楽しみ。
インディアナ大はゴードンのほかには、PGアーモン・バセット、SFジャマーカス・エリスがよかった。3人で試合をつくっていく姿勢がよかったねぇ。エリスは長い腕をうまくつかって、ディフェンスでよく貢献していた。12p4r3a4s。あとベンチから出てくるPGジョーダン・クロフォードという人もよかったなぁ。ガードが充実しているチームでした。ゴードンは、スリーガードの一角で周囲と調和できているというのも魅力のひとつだねぇ。チームプレイにさくっと入っていけそう。フージャースもうひとりの注目株、C D.J.ホワイトは残念ながら負傷退場。ゴール下でシュートを撃ったあと、着地でしくじって、左足のひざ?を痛めてしまった。それまでも特別すごいプレイはみせていなかったので、彼のすごさはいまひとつわからなかった。残念。15分の出場で6p2rでした。彼のあとから入ったビッグマンには、めぼしい人はいなかったねぇ。デアンドレ・トーマスというものすごいサイズのセンターがいて、風貌では目立っていたが、プレイはまだ正確性がなく、頼りない感じだった。まだ2年生だというから、来年に期待ですな。
ミシガン州立大で目立っていたのは、前述のナイツェルひとり。36分21p4r2s。彼のスリーポイントと速攻からのレイアップ、ロングパスだけが有効で、ほかのプレイヤーのオフェンスはほとんどきいていなかった。あそこまで封じられてしまうと、チームとしての自信がなくなっちゃうだろうねぇ。全体的に劣勢で、相手にすごいのがいるから、「あと1本出れば試合の流れが変わるかなー」という場面がきても、ミスをするか、ゴードンに決められるか、してしまう。それで点差をつめられず、ずるずるとやられて負けてしまった。彼らはシーズン中にもう一度インディアナ大と対戦するようなので、そのときのリベンジに期待ですな。そういえばもうひとり、フレッシュマンガードのクリス・アレンもよくやっていたなぁ。21分10p3rだった。でも彼はナイツェルと似たようなプレイスタイルなんだよね。自分で走って自分で撃つっていう。この日のミシガン州立大は、チームオフェンスがうまくいかず、個人の能力に頼るしかなかったのだと思う。厳しい世界ですなぁ。ランキング一桁の大学が、あんなに無惨にやられてしまうんだもんなぁ。すごいなぁ。や、NCAAも本当おもしろいっすね。来週もみようみよう。