読了

誰か Somebody (カッパノベルス)

誰か Somebody (カッパノベルス)

恥ずかしながら、宮部さんの本を読むのは初めてでございます。やー、やっぱ売れっ子の文章は読みやすくて、なおかつ嫌な気分にならないものだね。素晴らしい。これは「ひき逃げ事件の真相を追う」っていうわかりやすい構成の話だったんだけど、そのなかにもハッとするような言葉がいくつかちりばめられていて、いい具合に刺激されました。俺がいちばん好きだったのは、このセリフ。

「人間てのは、誰だってね、相手がいちばん言われたくないと思ってることを言う口を持ってるんだ。どんなバカでも、その狙いだけは、そりゃあもう正確なもんなんだから」

そうなんだよねー。対立関係になったとき、わざと嫌なことを言う人っているんだよなぁ。口撃ってのはこのことか、と思う瞬間がありますよ。俺だって、きっと気づかぬうちにそういう言い方をしていることはあるんだろうから、気をつけなきゃいかんねぇ。やー、これ名ゼリフだなぁ。
売れっ子作家って、みんなが思っていることをすぱっと文章にできるのがすごいよなー。この本を読んでいて、東野圭吾を思い出した。彼も同じように、人の共感を呼ぶ文章をすぱっと書ける人だよねぇ。やー、売れっ子すごい。拍手。