読了

湖中の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

湖中の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

レイモンド・チャンドラーの長編は、この世に7つしかないらしい。もう3つも読んでしまった。切ない。

ドアが開き、二人の男が笑いながら、後しざりをしながら出てきた。三人目の男は彼らのためにドアをささえて、笑うのを手伝った。彼らは大きな身ぶりで握手をかわし、二人の男が部屋を横切って出て行った。三人目の男は固い表情に変わった。いままで一度も笑ったことがないような顔だった。グレイの服を着た長身の男で、いかにもとっつきにくい顔つきだった。

1つめの節にあった文章。この「笑うのを手伝った」っていう表現と、そこからの展開がすごくよかった。あー、うまいなぁと思って、ここから先の300ページがますます楽しみになった。