読了

魔―本格ミステリ・マスターズ

短編集。私立探偵もののミステリーを２話収録。ストーカーに悩まされている女子大生の話と、拒食症の女性が失踪する話。
社会問題をテーマにした推理小説でした。謎解きがメインで、ときどき社会批判が混ざってくる感じ。その流れが不自然で、謎にもテーマにものりきれませんでしたよ。残念。
やー、それにしても、ずいぶん頭でっかちな本だったなぁ。作者がテーマに対する自分の考えを、狙い通りに書いたって感じ。言いたいことは伝わってくるんだけど、テーマに対する真実味や切実さが感じられませんでした。社会を遠目に見て批判してる印象。これは作家の文章じゃないなーと思った。読んだ後でプロフィールを見たら、評論も書いてるんだってね。なるほどー。どっちかっていうと評論家なんだろうなぁ。作家にしては、文章の温度が低いと思いました。
あ、でも巻末インタビューで推理小説をカレーに例えてる話は面白かったです（殴）