読了
- 作者: ギルバートアデア,Gilbert Adair,青木純子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 92回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
おもしろかった!主人公が失明してる設定だから、地の文がないんすよ。なんにも描写できないわけです。物語はすべてセリフだけで進行。協力者が作家の代役になって風景を言葉で表現してくれるんだけど、それってセリフだから、どれが本当でどれが嘘かわからない。本当のことは何も見えない。これはうまい設定だと思うなー。作家が疑念にとらわれてからの流れがお見事でした。見えないから、疑いがどんどん強まっていくんだよね。終盤は現代小説にありがちな、ちょっとキツい話になっちゃってたけど、本全体のつくりはおもしろいと思いますよ。アイデアの勝利。ほかにも同じアイデアつかってる作品ありそうだけどね。